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**第一章**

 午前十時十五分、駿河湾上空。被災地以外の世論は御前崎の原子力発電所が無事かどうかに向いていたが、御前崎には航空自衛隊の対空レーダーサイトも立地しているため上空の飛行許可が下りない(災害時を狙う有事に備えてである)。定点カメラも通信障害が起きて使えないため、在京キー局を中心とする各テレビ局はヘリコプターを使って静岡県内上空の空撮リポートを行っていた。
 麻布に本社を構えるNX(東京セブン)もそんなテレビ局の一つだったが、他の在京キー局と比べて後発であるこの局は出遅れてしまい、空域を確保できないままヘリは海上をさまよっていた。今回が初リポートとなり張り切っていたカメラマン・都築 佐之助も意気消沈といった様子。カメラテストを兼ねた感じで海面をひたすらアップで写している。
「──ん?」
 ふと、波間に何かが見えた気がした都築。
「もう一回、同じところを飛んでもらえますか?」
「ああ、いいよ。──暇だしね」
 操縦士の操作で旋回して、同じようにヘリは飛ぶ。都築は、今度はテープを回した。一瞬だけ、黒い物体が写る。テープを取り出し、備え付けの再生機でも確認。やはり写っている。都築はコマの切り出しを行い、本社へ送った。
 一方、麻布のNX本社では都築の送ってきた画像について、冷ややかに見ていた。
「潜水艦じゃないのか、これ」
 防衛省を担当したこともある、報道局長の弁。
「同感です。取り上げる必要もないでしょう」
 こちらは、ニュース編成部長。
「全く、都築は要らない物を送ってきて……」
 航空部運用課長が愚痴り、
「彼は今回が初めてですから。海自に確認だけでもしておきますか?」
 一番近い上司である報道局カメラ部機動運用課長がフォロー。テレビ局は至って平常だった。
「まあ、念のためにな。特ダネだったら拾い物だ」
「K国の兵器とか?」
「まさか」
***
 東京・市ヶ谷の防衛省地下。NX社内でゴミ扱いされていた画像は防衛省情報本部で解析されたが、その結果が送られると統合幕僚監部は騒然となった。
「これは……兵器か?」
 幹部の一人が呟く。
「いえ、このような形の兵器の開発は把握してません。こんな、蛇行した物は。そもそも兵器として使うとしたら、動力から素材まで効率が悪すぎます」
 写真は詳細な解析により海面下の部分まで再現されている。映し出された姿は、地べたを這う蛇のようなイメージ。ただし、その蛇行は空間に広がる。
「じゃあ、ケーブルか? 地震で切断されたとか」
「ケーブル自体が重いですし、沈むのではないかと。それに、太すぎます」
「太すぎる?」
 解説する情報本部員はスライドを切り替える。解析されたモデルにスケールが表示されたものだ。
「推定される太さは、直径二メートル、長さは百メートル程です。山手線電車くらいと言ったら判りますか?」
「海底ケーブルにしては、太すぎるな……」
「これは一つの憶測に過ぎないのですが、いいですか?」
「何だ、言ってみろ」
「解析を担当した研究員の中では、ウナギじゃないかと言われてます」
「ウナギ!?」
「はい。実家が魚屋の原市が、間違いないと」
「それにしてもウナギって──」
「すみません、失礼します。静岡清水港に津波の第一波到達との情報が」
「了解した。で、仮に巨大ウナギだとして、現地調査は?」
「研究員は行ってませんが──」
「潜水艦、派遣して」
「おいおい、この状況では、行っても津波に押し戻されるぞ」
「なら、対潜哨戒機を──」
「となると飛ばすのは厚木から?」
「──米軍との調整がな……」
「じゃあ、海保? この状況で以来出来ますか?」
「──救難ヘリを飛ばせばいいじゃないですかね?」
「なるほど、道理だ」
「ヘリなら館山から飛ばせる」
「というより、浜松から飛ばせば一番近い」
「民間ヘリが確認したんだ、視認は可能だろうな」
「漂流者救助という名目も立つ」
「よし、浜松に連絡だ、回線つなげ」
「はい……」
 すぐに回線が繋がる。
『はい、浜松基地です』
「えー、幕僚監部から命令する。駿河湾に正体不明の物体が確認された。救難ヘリを出動して確認するように」
『……もう、出てますよ』
「……おい、話が違うじゃないか」
 責められるのは研究員。
「いや、研究員は現場確認に行ってないだけで、ヘリは出てます」
「何で言わなかったんだ!」
「こっちはとんだ恥だ!」
『止めていただきたい!』
 スピーカー越しに、浜松基地の木嶋 憲幸が怒鳴る。
『有事の時もこんなことをしているつもりですか!? 今必要なのは迅速な判断と的確な情報収集、それだけです!』
「……ああ、すまない」
『ヘリは警戒管制の合間に出しましたよ。ただ目視の確認が出来るかは不明なので、海自の方からも対潜水艦装備を出してください』
「ああ、了解した」

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HN:
愛知川香良洲
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性別:
非公開
職業:
今年も、予備校生……
趣味:
小説を読む、書く。
自己紹介:
 小説を書くのと勉強に忙しい予備校生。アニメやライトノベルが大好き。「今年は受かってるかなぁ? あれ、番号、ない……」と言う訳で2011年も予備校生のまま。ケータイを無くしたので更新も停止中。
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