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 午前十一時四十三分、愛知県警水上警察署。高潮に備え高床式の庁舎を持つ警察署である。名古屋海上保安部から直接情報がもたらされ、手狭な庁舎の手狭な会議室を使って対策本部が置かれていた。
「避難状況は?」
 水上署長自ら、指揮を取っている。
「野跡地区にまだ住民がいる模様です。避難呼び掛けをしているのですが」
「避難の呼び掛け中止!」
「えっ!?」
「あそこは市営住宅だろ、なら頑丈に出来ているし、下手に動くよりはましだ。それよりマルタイは?」
「張り込みじゃないんですから……。えー、名古屋港高潮防波堤を通過。ポートアイランドに上陸した個体もあります」
「向かっている方向は?」
「北北西……ここガーデン埠頭です!」
 焦り出す室内。だが、署長は冷静だ。
「堀川の水門は閉めているよな?」
「はい。中川運河も」
「なら、出来る限りの処置は取った。あと出来るのは、状況を本部に伝えるだけだ」

***
 その頃、県警本部。機動隊の指揮を執るのは当然警備部上層部に所属する誰かの役割だったが、特異な事案であるため責任者の選定が難航していた。
「まず、警備部門から選ばなければならないね」
 警備部長が言う。警備部は公安部門も総括しているため(公安警察の規模が大きい警視庁は公安部として独立している)、当然の確認であった。同時に、責任を逃れるための念押しである。彼は公安側の出身であるため、異なる分野のことで責任を取りたくないのだ。
「じゃあ、渕野警備部長補佐?」
「私は、もう現場から離れてずいぶん経つ。責任なら取るが指揮は出来ないな」
「じゃあ警備課長?」
「私よりも、成瀬くんの方が」
 警備部警備課長の佐田 亮司が手を横に振りつつ応える。
「課長代理よりも君の方が優秀だと思われるが? 彼は時々マニュアル外の動かし方をする。心配だよ」
 聞くのは警備部長。彼は主要幹部の実績をほぼ把握している。
「何もない、もしくは想定済みの事態の時に限ります。現に、ブラインド方式の訓練では成瀬くんの指揮する時の方が的確な動きをします。エマージェンシーでぶっつけ本番の今回の事態には適任かと」
「ならそうしようか。彼は?」
「それが……今県庁へ派遣していて」
「すぐに呼び戻せ!」
「はい!」
 佐田は慌てて部屋を出ていった。
「……彼で本当にいいんですか?」
 会議中一言も発しなかった公安一課長が聞く。
「佐田が推すんだから、大丈夫だろうよ」
「でも……」
「こんな事態への対処、引き受けた奴が馬鹿なんだ。そして警察は、引き受けざるを得ない。馬鹿になるならとことん馬鹿になるさ」
 渕野警備部長補佐が言った。

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HN:
愛知川香良洲
HP:
性別:
非公開
職業:
今年も、予備校生……
趣味:
小説を読む、書く。
自己紹介:
 小説を書くのと勉強に忙しい予備校生。アニメやライトノベルが大好き。「今年は受かってるかなぁ? あれ、番号、ない……」と言う訳で2011年も予備校生のまま。ケータイを無くしたので更新も停止中。
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